医師にとって住宅購入の適正価格は?

医師にとって住宅購入の適正価格は?

医師がマイホーム購入を考えるとき、どんな物件を選ぶべきでしょうか。

「購入可能な価格帯は?」「都心で買える?」「月々の住宅ローンはいくらぐらい?」……。願わくば、日々の家計に負担を感じずに暮らせる住まいを選びたいものです。

結婚や子育て、さらには老後の過ごし方まで、長きにわたるライフスタイルを見据えながら、理想のマイホーム計画を立てていきましょう。

医師なら1億円超の高額物件も購入可能?

一般的なマイホーㇺ購入額の目安は「年収の5倍程度」と言われます。

例えば年収1,500万円の人であれば、7,500万円程度の住まいなら無理なく購入できるという理論です。予算が7,500万円なら、東京都内では世田谷区や杉並区あたりの新築住宅が購入できるでしょう。また独身者向けコンパクトマンションであれば、港区や中央区などの都心物件も射程圏内です。

マイホーム購入となると、ほとんどの人が住宅ローンを組むことになるはずです。もし35歳で7,500万円の住宅を購入する場合、ローン支払いはどのようになるかをシミュレーションしてみました。

変動金利0.4%(頭金・ボーナス払いなし)・返済期間35年(35歳~70歳)の場合

年間支払い額:2,296,704円(月々191,392円)
完済までの総支払い額:80,384,730円
完済までの総利息額:5,384,730円
(※総利息額はローン金利の変動により増減します)

月々の支払い額は20万円弱です。年収に占める住宅ローンの割合は15%ほどに抑えられるため、それほど大きな負担ではなさそうです。

また、社会的な信用が高い医師であれば年収の8倍程度のマイホーム購入も可能と言われますので、1,500万円×8=1億2,000万円の住宅を購入した場合のシミュレーションもしてみます。

年間支払い額:3,674,736円(月々306,228円)
完済までの総支払い額:128,615,682円
完済までの総利息額:8,615,682円

月々の支払い額は30万円超になり、年収に占めるローン割合も24%以上に膨らみます。年収に占めるローンの割合は20%程度が妥当と言われますから、少々負担を感じるかも知れません。とはいえ、独身であれば1億円超のタワーマンション購入も十分に可能だということが分かります。

しかしすでに結婚して子供がいる場合、家族の生活費や子供の教育費も考えなくてはなりません。子供が医師を志望するならば、小学校から高校までの塾や予備校の費用、さらに医学部の学費まで含めると総額1億円程度の教育費が必要になります。

それと並行して、自らの老後の蓄えも必要です。医師が現役時代と同等の生活水準を保つためには、リタイア(おおむね65歳)の段階で8,000万円以上は貯蓄しておきたいものです。

35歳・手取り年収1,500万円・勤務医のライフプラン

大まかなイメージを掴んだところで、とある医師家族をモデルケースとしたライフプランを見ていきましょう。

■家族構成
夫:勤務医医。年収1,500万円
妻:専業主婦
子供:32歳のときに1人誕生。

■家族の年額収支
子供の教育費:300万円
家族の生活費:500万円
住宅ローン支払い額:250万円(8,000万円の住宅を購入)
余剰金(貯蓄可能な金額):450万円

■ライフプラン
独身時代から35歳までに2,500万円の貯蓄ベースを構築しています。

38歳以降は教育費負担が増え、医学部に進学すれば学費の支払いもありますが、これは50歳(子供18歳)になるまでに貯めた6,750万円から捻出できます。学費を差し引いた3,750万円の貯蓄と独身時代の貯蓄2,500万円、65歳のリタイアまでに貯めた6,750万円の合計1億3,000万円は夫婦の老後資金に充てられます。

ただ、このライフプランはあくまで1,500万円の安定年収が続いた場合の仮説です。

転職で収入が変動したり、開業をめざす場合はプランの立て直しが必要です。また、より高級なマイホームを購入した場合はローン支払い額が増える分、貯蓄額は減るため、これほど潤沢な資金は残せなくなります。

返済期間35年のリミットは40歳まで

住宅ローンを組めるのは、20歳からおおむね75歳までです。

返済期間は最長で35年間ですが、いつからでも35年間組める訳ではないため注意が必要です。支払いの最終年齢は75歳ですから、50歳で住宅を購入した場合の返済期間は25年間になります。35年ローンが組める年齢は、75歳-35年=40歳。マイホームの購入については、遅くとも30歳代後半には検討を開始する必要があります。

さらに言えば「住宅ローンの適齢期」、すなわち金融機関のローン審査が通りやすい年齢にも注目です。

住宅ローンに関するアンケートでは、30歳代前半がもっとも審査に通りやすく、40歳代以降は年齢が上がるにつれて審査が厳しくなるという結果が出ています。

まとめ

賃貸住宅にも様々な利点があることは事実です。しかし家賃を何十年間も払い続けると、どれだけのお金が消えていくことになるでしょう。一方でマイホームは、ローンの負担はあれど生涯にわたるかけがえのない資産となり、そのまま子供に遺すこともできます。

マイホーム購入は、人生の中でも最大級のテーマです。金銭的な負担も小さくはありませんから、まずは子供の医学部進学や夫婦の老後生活など、家族の将来を見据えたライフプランを立ててみるといいでしょう。

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