子供を医師にするための費用は6,000万円!?

子供を医師にするための費用は6,000万円!?

子供を医師にするためにかかる費用について、考えたことはありますか? 実はここ数十年で、医学部の学費は大きく上昇しています。さらに、医学部進学のためには専門予備校への通学が必要になるケースも多く、準備を怠ると予想外の金銭的負担に慌ててしまうことになるかも知れません。

そこで今回は、子供を医師にするための費用について解説します。

医学部の学費は上昇傾向

順天堂大学医学部が2008年度入試の際、学費を約900万円減額したことは話題になりました。これ以降、私立大学の医学部では、一時的に学費の値下げがトレンドになりました。しかし、もう少し長いスパンで見てみると、実は医学部の学費は上昇傾向にあるのです。

旺文社の教育情報センターの調べによると、1975年の私立大学の授業料は18万2,677円。12年後の1987年には51万7,395円と大幅に上昇しました。さらに15年後の2002年度には80万4,367円、2015年度は86万8,447円となり、1975年から2015年までの40年間で4.75倍に引き上げられていることが分かります。

このデータは医学部に限定したデータではありませんが、医学部の学費も例に漏れず値上げされています。子供を医師にしたい場合、自身の学生時代よりも学費が高くなっていることは留意しておきたいポイントです。

奨学金制度の利用には収入による審査も

ここからは、医学部の学費について見ていきます。現在、国公立大学の医学部の学費は平均400万円弱ですが、私立大学になると安くて約2,000万円、高い大学だと5,000万円以上になります。また、留年してしまった場合には当然、それだけ余分な費用もかかってしまいます。

近年は教育ローンや奨学金制度、その他の支援プログラムも拡充され、入学金と初年度の学費さえ支払えば、残額は必ずしも入学までに用意できなくてもいいようです。

しかし、奨学金制度を利用する場合は面接時に経済状況について尋ねられる上、収入による審査もあります。扶養者が高収入な医師である場合には、奨学金を受けることは難しいかも知れません。

予備校の学費は年間最大1000万円にも

医学部への進学に必要なお金は、入学金や学費だけではありません。

具体的な例を挙げると、受験勉強のために予備校に通う費用です。医学部に入るためには学校の勉強だけでは不足が多いため、予備校に通って知識を補う必要があります。この予備校についても、どの程度の費用がかかるのか事前に計算しておく必要があるでしょう。

医学部専門の予備校には相応のノウハウや学習環境があるため合格率は高まりますが、通常の予備校よりも授業料が高額になります。例えば、都内にある大手医学部予備校では年間の学費が1,000万円近くに達することもあります。

医学部受験では1浪、2浪は当たり前。それほど高額な学費を用意するのは、いくら収入が高い医師であっても簡単なことではないでしょう。

まとめ

ここまで見てきた通り、医学部予備校と大学の学費の合計で最大6,000万円近くが必要であることが分かりました。加えて、大学が実家から離れている場合には子供を下宿させる必要があるため、さらに費用がかかることも念頭に置く必要があります。子供を医師にしたいと考える皆さん、その費用について一度計算してみてはいかがでしょうか。

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